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レポート作成日:2024/07/02

第13回課題深掘り会レポート【外国人児童への日本語指導】

テーマ:「外国人児童への日本語指導について」

 

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現状の課題について

現在の学校の中での指導方法では、「教科のための日本語」を先に教えなければいけない。(日常会話は子ども同士で話すことで学べるが、日常会話と教科の日本語は違うため)
そして、日本語教師はただ日本語を教えるだけではなく、日本の学校や生活の文化を教える必要がある(例:起立礼着席、廊下は走ってはいけない、宿題)
しかし、「教科指導」と「日本語指導」は違い、教科のための日本語を教えることは「教科指導」にあたってしまうため、制度上教科指導ができない。その制度を変えるために動いていたが想いは届かず改善されなかったため10年前に現場を離れて別の道を歩んでいた。

あるきっかけがあり、日本語教師として現場に復帰したが状況としてはやはり変わっていなかった。


テーマ01.来日してすぐの対応
⇒宇都宮市や小山市には初期指導専門機関がある。(はばたき教室を県内全てに設置したい)
 外国人児童は泊りがけの活動ができなかったりする(宿泊学習や修学旅行がNG)
 基礎学校用語を覚えてもらわなきゃいけない「うわばき」「PTA」
 保護者教育「どのようにして学校の一員だと認識してもらうか」


テーマ02.学校現場での時間割や指導法
⇒担任の先生との横の連携・クラスの一員という認識を持ってもらう
 その子が「国語が分からないから」ではなく「国語の〇〇が分からない」という詳細の共有をした上で別教室で学んでもらう
 指導の仕方(指導者育成と横の繋がり)(会話・基礎学力・該当学年の勉強)
 家庭学習のサポート「デジタルで繋げてリアルタイムでサポートする」


テーマ03.高校などの進路(義務教育後の進路)
⇒選択できる第2外国語の科目として「日本語科」を高校にももっと外国人が入学しやすい学校はないのだろうか・・・

 

課題グループワーク

話題提供の後、以下の3つのテーマごとに分かれてグループを組みそれぞれ深め合った。
01.来日してすぐの対応グループ
02.学校現場での時間割や指導法グループ
03.高校などの進路グループ


01.来日してすぐの対応グループ
・学校の設置は行政のコストとしても莫大なお金がかかるが、デジタルを使った多言語教育はできるのではないか。
・高精度の翻訳システムの活用場面を広げていくのがいいのではないか
・根本的に「相手に対する興味」を抱くことができるかという意識への訴求が大切なのではないか
・学校自体にもデジタルを「使っていこう」という気概がないと進まない。


02.学校現場での時間割や指導法グループ
・必要なことは「現場でのカリキュラム」「コーディネート」「サポート体制の充実」
・教育委員会の中にも動きたいけど動けないという人はいると思うので、外部組織として活動していく方法があったらいいのにと感じる


03.高校などの進路グループ
・全国的に見て、栃木県だけが「英語メインの学校」がないという現状も問題
・「高校は生徒同士の繋がりが大事」中学校までは親や先生が助けてくれるが、高校は友達が一番助けてくれる
・「言語の壁」を意識しすぎてお互い歩み寄りがたいという意識を変える(マインド)

 

 

まとめ

今回の深掘り会は教育関係の現場の方々が多く、各々の発言から差し迫った課題であることが露呈した。
かといって「〇〇すれば解決」という単純な問題ではないため、各々の現場でも連携しながら引き続き話し合い動いていく必要がある。

 

 

 

 

 

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