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課題栃木県漁業協同組合連合会さん
- 【K16】
- 2022/01/17 14:08
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栃木県は関東でも一大アユ漁場の鬼怒川、那珂川を擁しており、アユの漁獲量は全国で3位を誇っており、毎年解禁日には県内外のファンが押し寄せています。 栃木のアユは水が良いのか、他県と比較しても負けないくらい美味で、頭から尻尾までそのまま食べられるので、とても人気があります。 一方で、カワウによる食害が大変な問題となっています。県内におけるカワウによる捕食額は、県カワウ管理指針によれば平成29年度で3億3,500万円(うちアユ6,700万円)と推計されているほどです。 そもそもアユは、漁協が毎年増殖・放流を行って成り立っています。しかし、せっかく育てたアユがカワウに食べられてしまうと、釣果の低下→釣り人の減少→漁協の収入減少→増殖・放流事業・カワウ対策の縮小という悪循環に陥ることになります。 現在も毎年1,500羽程度の駆除を行ったり、ドローンによる追い払いなどを行ったりしていますが、それでもカワウの被害は減っていません。 また、闇雲に駆除等を行っても巣が分散してしまい、対策がより困難になってしまうので、計画的にコントロールしていく必要があります。 従来、カワウの行動範囲は巣から半径15km程度と考えられていましたが、矢板市の営巣地で昨年行われた調査(注)によると春から初夏は放流魚が多い鬼怒川、夏から秋にかけては天然魚が多い箒川で餌をとる傾向がみられるとともに、秋から翌春にかけて県境を跨いで茨城、千葉、東京と栃木を行き来していることがわかりました。 (注)…カワウの個体にGPS情報を定期的に取得する機械(GPSロガー)を装着し、一定期間が経過したら当該カワウに近づいて受信機でデータを回収することで、その個体の移動の軌跡を明らかにする調査 この結果をみて、他のカワウの営巣地やねぐらにおいても同様の調査を行って、県内、さらには他県との協力体制をつくっていく必要があることがわかりましたが、このGPSロガーを用いた調査には多大な手間や費用がかかり頻繁に行うことができません。 栃木県のアユをなんとか将来に伝えていくため、カワウの生息状況の把握や、個体数のコントロールをどのように行い、食害を減少していけばいいのか、今後関係者の皆様とのプロジェクト化を見据えて皆様と意見交換したいと思います。 よろしくお願いします。
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