課題

救急車を窓口にした孤立支援

①背景
・救急車の出動件数は、年々増加傾向。
 総務省消防庁によると2009~2019年の10年間で、救急搬送されたが軽症(入院不要)と診断された患者は、救急搬送全体の50%(変動なし)。うち約半数は高齢者。
 こうした状況が財政を大きく圧迫しており、三重県松坂市では、軽症だと7700円の自己負担を請求することを決定。
https://news.yahoo.co.jp/articles/95c7346a94a484fb4a97f757c0fa087f2d7f67cf

・一方、体調不良時に身寄りがないと不安感が強く、救急車しか頼れない現状がある。たとえば、お腹が痛い時に誰も家にいない、頼れる人がいないと、「夜中に悪化したらどうしよう」などの不安が強い。こうした時、救急車は呼ぶと必ず来て「関わって」くれる。結果、軽症での救急コールやその「リピート」が増加傾向にある。
・救急車は出動一回当たり45000円が最低でもかかっている。

②栃木県の現状
 栃木県でもこの状況は例外でなく、令和3年中の救急出場件数は78,702件であり、前年と比較して2,422件、3.2%の増加を示し ている。なお、出場件数 78,702件という数字は県内のどこかで6.7分に1回の割合で救急自動車が出場したことを示し ている。
 このうち約半数は「軽症(入院が必要ではない)」であり、さらにその半数は高齢者である。
 かかっている費用を算出すると、県内の救急車の出動には最低でも年間35億円の費用がかかっており、そのうちの約6億は「高齢者の軽症」である。

https://www.pref.tochigi.lg.jp/kurashi/bousai/kekaku/documents/03_dai2_kyuukyuukyuuzyotaisei.pdf


③他国ではどうか
 こうした状況は実は全世界で課題として上がっている。フランスではこうした状況による財政圧迫を受け、「samu social」という取り組みがある。コールの段階で孤立が原因で緊急性がないと判断された場合、医療班ではなくソーシャルワーカーが派遣される。そこで近くの地域サロンなどに繋ぐことで、救急隊の出動コストを下げ、さらに根本的解決を進めていく(実際に孤立が原因の人に救急隊を派遣しても、冷たくあしらわれて返されるので、根本的には何も解決しない)。

④今回皆さんに相談したいこと
 栃木県あるいは大田原市(那須地域)を特区として、コールの段階で明らかに軽症だけど孤立が原因と思われる人に対して、即日でなくてもいいので社会福祉士やケアマネジャーを派遣する仕組みを作りたいです。
 さらに、救急車にかかる費用のうち1万円を出動した社会福祉士に支払えるようなモデルにしたいです。最初は地域包括支援センターや社会福祉協議会が担う想定ですが、その後地域のサロンなどを運営している団体に委託が進み事業収入にもなれば、地域活動の継続性にもつながると考えています。

 以上、簡単ではありますが、ご助言いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

  • 【K49】
  • 2024/04/11 13:57
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プロジェクト一覧

さわまるさん
  • 2024/07/11 12:46
  • 意見

今年、救急車のおかげで命を永らえた者です。
自らが速やかに搬送されたから助かったとの認識から、救急出動に関わる問題について関心が高まりました。
然しながら自分の体験を振り返り、
「どのくらい具合が悪くなれば、救急車を呼ぶべきか?」 後から考えてもなかなか難しく思えるのです。
入院中、医師に質問したところ「調子が本当に悪いと思ったら、仮に軽症でも呼ぶべき」と伺いました。
なるほど、私も救急隊員が到着するまで、自分の症状についてほとんど自覚がありませんでした。実は重症なのか、軽症なのか。案外自己判断って出来ないことって多いんだなと初めて実感した次第です。
だから恐らく、コールの段階で軽症かどうか、正確な判断って相当に難しいんじゃないかって想像します。万一読み誤って、人命が失われる事態となったら、大変な責任問題にもなりましょう。個人的にには、救急車のコールについて、三重県松坂市のような制度を導入すべきなのかなぁと思います。
一方、Engao _hamanoさんが仰るもうひとつの目的、社会福祉士やケアマネジャーを必要とする人へのケアも重要な課題ですね。

そこで、「救急車を呼びたくなる前に電話したくなる別途のサービス」を考えてみてはどうでしょう?
まとめると、救急車の利用を有料化してハードルをあげる代わりに、軽症の自覚をもつ高齢者に「こっちのサービスがあるよ」と誘導するイメージです。
昨今のAIなどを活用し、上手い仕組みがつくれないかしら?


ヨッシーさん
  • 2024/04/26 18:20
  • 意見

hamano様
はじめまして。

今後も高齢化社会が進んでいくことを考えると、hamano様に投稿頂いた状況はより加速していくのかなと思いました。

栃木県あるいは大田原市(那須地域)を特区として、コールの段階で明らかに軽症だけど孤立が原因と思われる人に対して、即日でなくてもいいので社会福祉士やケアマネジャーを派遣する仕組みを作りたい、ということですが、これを実現するにあたり、既に見えている課題はございますか?

背景や現状等を幅広く調べられており、進めていこうとする中で何が引っかかってこの構想が進められないのか、見えているものがあればご教示頂きたいと思いました。

Engao _hamanoさん
  • 2024/07/05 15:42
  • 質問・回答

コメントありがとうございます。返信が遅れてしまい、大変失礼しました。

課題が具体的に見えるほどまだ解像度が高くなくて申し訳ないのですが、公的なサービスの仕組みを変える、という部分でハードルの高さを感じています。
そのため、議会も巻き込んだ「特区」のような形が理想かなと。
ひとまず、このアイディアをより具体化してから、課題を一個一個潰していくことが必要かなと思っております。

Red_featherさん
  • 2024/04/22 17:45
  • 質問・回答

hamano様はじめまして。
勉強不足で申し訳ないのですが、教えていただきたい点がございましたのでコメント致しました。
「軽症だけど孤立が原因」と判断する方法について、フランスでは既に取り組みが進んでいるとのことですが、どのように判断しているのか???
もしお分かりでしたら、教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。

Engao _hamanoさん
  • 2024/07/05 15:40
  • 質問・回答

返信遅れてしまい、大変失礼しました

スカーレットさん
  • 2024/06/12 16:19
  • 意見

hamanoさん
高齢単身世帯の増加、孤立孤独対策、そして学ばせていただいた「社会的処方」の観点からも
大変興味深い提言だと思います。
大きな期待も込めつつ、「救急車要請コール」という緊迫した場面・段階でとのことですが
救急車を出動させるか不要かも判断しますか?また、孤立が原因かを判断するという新たな責務を119番コールセンターで担うのか、誰がどのような基準で、担うのか?この辺りもう少しイメージされているところ共有頂けると助かります。
コール時点では「救急車出動」で、「出動後現場での状況確認」その後、必要に応じて申し送り要請という、流れでは?いかがでしょうか?
コールの段階とすると、少々リスクが高いのではないかという懸念です。
現地対応した救急隊員の出動報告書(そんなものが有るかと思うのですが…詳しく分かりませんが)に、孤立孤独など他の課題を感じた場合、何らかの繋ぎ先(地域の保健所、健康福祉センター等々)を挟み、アウトリーチ支援かなぁと感じましたが、いかがでしょうか?


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