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2023.03.28(火)
【レポート】とちぎデジタルハブ課題深掘り会#7「病院のCT・MRIを地域の共有資産として活用できるようにしたい」を実施 2023/3/13
テーマ:病院のCT・MRIを地域の共有資産として活用できるようにしたい
課題投稿者であるとしやさんからお話いただき、参加者による意見交換をしました。
〇理解を深めるための話
新型コロナウイルスの影響を受け、医療従事者は大変だという事が騒がれ始めたが、そもそも病院は労働集約型のビジネスモデルのため、人の数が必要になる。しかし昨今は医療人口の減少と患者の増加が起こっていて、コロナの影響だけではない危機感を感じている。
今回の話の前提理解としてCTとMRIについて簡単に説明する。
①CT:放射線を使用して体の断面を撮影し、複数枚をコンピューター処理によって画像として出力する機器
②MRI:磁気と電波を使用して体の細胞の水素原子を磁力と電波で影響を与えて画像化する機器
どちらもがんの検査等で使われることが多い機器である。
がんは日本人の死因第1位の病気として良く知られており、日本人ががんになるのは2人に1人、そして4人に1人はがんで亡くなる。
CTとMRI、それぞれの人口に対する普及率を見ると、日本はともに世界1位となっている。大きな病院で検査撮影をするにあたって、平均CTは4.8日待ち、MRIは19.8日待ちが出ているようだ。その一方で中規模病院ではCTもMRIも1.5日しか待ちがない状況となっている。中規模病院でもCT・MRIがどちらも置いてある所は多いが、CT・MRIを使うような患者は大きい病院を受診するためこのような現状が起きている。
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〇話題提供について:
①検査をするのに専門の技師は必要なのか?
→放射線技師が必要なので放射線技師の在籍数による差が生まれている
②がん以外の検査でもCT・MRIは使える?
→骨折や脳卒中等、様々な病気の検査に使用できる。がんはすぐ進行しないので、検査の順番を後回しにされがちな現状がある。
③一般の健康診断で使われたりはする?
→胸部のX線検査と違って、CTは人間ドックでなければ使われない。
④撮影領域は主治医の指示がなくても決められる?
→ある程度症状によって規定があるが、主治医がその患者の症状に応じて欲しい部位等を決めている。放射線には被ばくがあるので、担当医の指示のもとに撮影が行わなければいけない。
⑤検査技師によって結果のブレは大きいのか?
→先生のオーダーの仕方によって差は生まれる。その意図を汲める技師かどうか。
⑥放射線技師の稼働時間的には余裕があるのか?
→大きな病院の放射線技師は予約がパンパンに入っているので余裕がない。あまり稼働率がよくない病院の放射線技師は余裕がある。
⑦早く検査できるとしても患者の心理としては病院を変えたくない意識もあるのでは?
→あると思う。見放されたと思わせてしまうので医者側も言いにくい。なので、診断は自分で行い検査だけを回したいと思っているはず。
⑧大病院はこうした機器を待つのは当たり前という患者側の意識が問題なのでは?
→だから現状維持になっている。病院は時間がかかるものという意識があるので、どうしても我慢できなくなったら行くという人も多い。その結果手遅れになったりもする。仕事の合間に行けるようになるくらい、待ち時間がなくスムーズに検査ができれば意識も変わるのではないか。
⑨CTやMRIは撮影すればするだけ儲かる?
→儲かるというよりは、MRIはシステム的に常に電源を入れておくものであり、機器が稼働しなければそれだけ損失になってしまうという。
⑩機器は各メーカーによって差がある?
→ある。その差が見える化できないから外注に繋がらないのだと思う。
⑪患者を大きい病院から他の病院に紹介する「逆紹介」の数字が高い病院には何かしらのインセンティブがある?
→診療報酬に影響がある。
⑫大病院からしたら検査待ちによってロスが生まれているという認識はある?
→放射線技師の方から、一人にかかる撮影時間を短くするように病院から指示があるが、指示のみになっているのが現状と聞く。
⑬前提として、検査や治療を受ける患者に、安心できるような説明できるかがカギでは?
→まさにそのアプローチが必要。これから考えていく必要がある。
⑭病院としては現状で課題に思っていないと、わざわざ新しいシステムにお金を払ってまで導入したいと思わないのでは?
→それはあるかもしれない。しかし、飽和状態で検査待ちが起きて早期発見できたはずの人の発見が遅れてしまうということは課題だと思う。
⑮このアイデアの実現に対しての障壁は?
→病院は個人情報をたくさん取り扱っているので、セキュリティ上問題がないか、と言う点が障壁の1つ。
⑯病院の各種データはどこに保存している?
→しっかりとしたセキュリティを備えた内部のサーバーに保管している。クラウドなど外部サービスを活用しているところはないと思う。
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〇参加者感想:
・すごく面白い課題でためになった。病院だけの課題だけではなく一般市民としても協力できることはないかと考えるきっかけになった。
・業界的な課題も大きいと思った。そこに手を加えられるような行政の力添えがいただければいいのではないか。
・業界の中にいると現状が当たり前として認識されてしまい、課題として気が付くことができないのではないかと思う。
・衣食住に近いテーマだといろんな人から意見が出てくるのだなと思った。
・知らない業界の課題でしたが、今回の課題のデジタル解決は他の業界にも応用ができるのではないか。技術の発達とともに使う側の意識が変われば一気に解決できる課題なのではないかと思いました。
・医療業界の話は特殊に感じて近づきにくいと感じてしまうが、一般市民まで関わる社会課題だと思うので、そこの認識合わせをしてじっくり考えていく必要がある。
・医療や少子化高齢化は産業として前に進んでいくべきだが、制度的に抑えられている面が大きい。よりいい環境よりいい医療を受けられるように仕組みを考えていってほしい。
・今後も議論していく必要があるのでサイトの方で話していきましょう。
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〇話題提供者コメント:
普段聞くことができないような多様な業界の方からの話が聞けてよかった。
解決に向けて、これからデジハブサイトの中で是非議論を深めさせていただければ嬉しいです。