デジタル技術で林業従事者が安全に働くことができる環境を作りたい
林業の担い手の確保・育成を実現するためにも、林業における労働災害の一番の要因となる伐倒時の事故を未然に防ぎ、安全・安心な環境を維持するためにも、以下の2点の課題を解決する必要があります。
当該プロジェクトでは、参加いただいた方々で具体的な解決方法を模索します。
1 伐倒時の安全距離の確保
労働安全衛生法でも伐倒時の安全距離が定められていますが、20mを超える高さの木もある中で、目測のみで正確に安全な距離を把握するのは熟達した技能が必要です。
そこで、どのように十分な距離を測ることができるかという点で、デジタルが活用できないか検討します。
2 事故発生時の他者への迅速な連絡
伐倒木が当たるような事故の時は、直ちに周囲に知らせなければ重大な事故に繋がる可能性がありますが、作業環境は広域で電波の障害となる木々や尾根もあり、携帯の電波が届かないため、他の方との連絡が取りづらい状況です。
そこで、問題発生したことを迅速に、他の人に伝達するという点で、デジタルが活用できないか検討します。
- プロジェクトリーダー
- 矢板市デジタル戦略課さん
- 【P3】
- 2021/11/30 14:51
- プロジェクトメンバー:1人
プロジェクト会議掲示板
(1)開発進捗状況確認
Ronk(GPSによる位置情報共有機能付き緊急時通報装置の開発業者)
・8月末の完成を目途に作業中である。
・親機が子機からデータを取得する際、警報データとGPSデータの発信が重なった場合、データの取得が正しく出来ないことが判明した。
・GPSデータは常に取得する形ではなく、数分おき(10分まで1分単位で変更可能)で取得するようにしたい。今のところ3分程度がいいのではないかと思うが、実験を行う中で調整したい。
・命にかかわる警報データの取得が優先されるため、取得に失敗しても複数回リトライ出来るような設計をお願いしたい。
HCCソフト(音声に対応した距離測定アプリ開発)
・Ronk同様8月いっぱいでの完成を目途に作業中である。
・iOS15.5で設計しているが、最新の15.6にも対応出来る。
・音声認識で、「ON」という言葉だと反応が悪いため「ボタンON」で反応するよう設定している。
・現場で、スマホを持ちながらアプリ操作は難しい。ヘッドセットでハンズフリー操作出来るよう、スマホに測定器とヘッドセット2台Bluetooth接続出来るか確認をお願いしたい。
・チェーンソー等現場の音が大きいが、林業ヘルメット用のノイズキャンセラー付きのヘッドセットもあるので、アプリの音声は聞き取れるだろう(実験で要確認)。
(2)現場テストの方向性
・時期は9月中旬から9月下旬(開発状況を見ながら、今後日程調整)。
・場所は高原林産企業組合から候補をいただく予定。
・準備物は測定器を肩に装着する固定具を栃木県デジタル戦略課で用意。ヘッドセットは高原林産企業組合が保有しているものを使わせていただく。
8月2日に進捗状況の確認と実験スケジュール等の確認を行いました。