外来種問題の普及啓発、「知る」から「行動」へ
のぶさんさん投稿の課題「外来種の分布拡大阻止について」のなかで様々な方から寄せられたご意見を踏まえ、以下のとおり普及啓発等について具体的な対策方法を議論したく、プロジェクト化しました。
関心をお持ちの方の御参加をお待ちしております。
<目標>
・飼っている動植物等を外に捨ててはいけないと認識する県民を増やしたい。
・外来種(既に県内に蔓延している種を除く)を早期発見、通報する県民を増やしたい。
<対策の方向性>
・生物多様性保全や外来種問題に関心がない人にアプローチできる普及啓発を行う。
・アプローチしやすい層としては子ども(+その親/祖父母世代)か?
・外来種を気軽に通報してもらう方法として、スマホアプリを活用する。
・アプリは、新規開発~既存アプリまで、幅広く検討したい
・アプリについては、維持管理費用/手間も重要な検討要素
<スケジュール感>
今のところ、以下のようなスケジュールで進められればと考えています。
※議論の進捗により適宜見直す可能性あり
【1回目(1月中旬)】
・課題や背景の共有
・対策案の検討:アプローチの検討(どんな手法が有効か)
【2回目(1月下旬)】
・対策案の検討:前回議論した有効な手法を実行する手段・ツール
【3回目(2月上旬)】
・対策案の検討:手段・ツールの詳細、実現可能性(費用面等)
・今後のスケジュール
- プロジェクトリーダー
- 栃木県自然環境課さん
- 【P12】
- 2022/12/22 09:58
- プロジェクトメンバー:5人
プロジェクト会議掲示板
1月19日、オンライン会議で第1回の打ち合わせを行いました。当日の結果は以下の通りです。
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1 課題・背景
・外来種=人為的に持ち込まれた生物であり、一部の外来種が地域に問題をもたらしている。
→①生態系への影響(他の在来動植物が駆逐される)
②産業への影響(農作物を食べてしまう、枯らしてしまう)
③健康・生活への影響(毒、糞等による衛生問題)
・飼っているメダカを川に放す等、「知らない」ことで無意識に問題を発生・拡大させる可能性がある。
→県民の意識向上を図りたい
・知らないうちに、生態系等に影響をもたらす外来種がはびこってしまう恐れがある
→外来種に関する情報収集を図りたい(早期発見、通報する県民を増やしたい)
課題や背景の共有を行い、対策案(どんな手法が有効か)を検討しました。
(2)外来種の情報収集
・スマホアプリを活用することにより、気軽に外来種を通報してもらうことが考えられる。
→ai判定は、アプリによっても生物分類によっても得意不得意があり、専門家が見れば一目瞭然な誤同定もとても多い。誤同定に踊らされると現場が大変になる。情報収集という観点からは、専門家による情報提供に依拠したほうがよいのではないか。
→大量の発見情報が寄せられても、ある程度「普及啓発の手段」と割り切って、本当に県として気になる情報のみを精査するというのも手か。
・動植物を気軽に判定できる既存アプリ等としては、Googleレンズやバイオームなどがある。
・Googleレンズの機能を使って、発見した位置情報を簡単に通報できるアプリは作ることができると思われる。また、クラウドに保存する場合、何人で使うかにもよるが、1,000円程度で使える。人数が少なければ無料でもできる。そうしたところから実証してみるのもよいかもしれない。
・スマホ位置ゲームでレアキャラを集めるというゲーム性は多くの人を引きつけている。ゲーム性(コレクションできる。クエストをクリアできる)という観点からは、バイオームに一日の長がある。
→ゲーム性に関しては、例えばウォークラリーやスタンプラリーでも出すことができる。チェックポイントごとに指定された生き物を探して、写真を撮るとか。
・アプリを作ってもインストールしてもらうことが大変。SNSに発見した外来種の写真をタグ付けしてアップしてもらうというのも1つの方法ではないか。
→県民運動・普及啓発の方法としてはとても有効と思われる。ただ、タグ検索しても位置情報まではすぐに入手できないので、情報収集の手段としては難ありか。
○情報収集の方法(案)
既存のアプリやWEBサービスの活用(バイオーム、Googleレンズ、SNS)
→一定の精度を持つアプリやSNSの活用は、普及啓発のツールにもなる。
3 今後の予定
今回議論した対策案を実行する具体的な方法・ツールを検討し、議論を進めていく予定
2 対策案と方向性
(1)外来種問題の普及啓発
・取ってきた動植物を、よかれと思って自然に帰すつもりで放つことがある(例:カブトムシを自然に帰す)。しかし、それが外来種を増やす行動になる。
・まず、動植物に興味を持って貰い、こうした問題の原因や影響を知ってもらうことにより、飼っている動植物等を外に捨ててはいけないと認識する人を増やしたい。
・自然環境にあまり関心がない層へのアプローチについて
・クビアカツヤカミキリのように、ニュース性があったり、実際に「お花見ができなくなる」など自分の問題として捉えやすい外来種については、幅広い層が関心をもってくれる。
・観察会や野外での保全活動などには、コロナ禍による外出不足の影響か、(自然環境に興味があるわけではなく)「子どもに野外で活動をさせたい」という親御さんの後押しで子どもたちが参加することがある。
・夏休みの自由研究のテーマ(ヒント)として「外来種問題」を提案し、うまく子どもたちに取り組んでもらえると裾野が広がるのではないか。
→博物館では、夏休みの自由研究などをサポートするイベントがある。そうした枠組みで外来種を取り扱うこともできるかもしれない。
・観察会等の実施について
・実物に触れられる観察会は「気づき」があり意識が変わるので有効。
・街中(例えばJR宇都宮駅付近)であっても、探せば多くの生き物が見つかり、そのなかには外来種も多い。また河川敷は外来種を含め動植物の宝庫である。
・観察会の講師を務められる人材が少ない点が問題。地域に根ざした専門家に関与してもらうとよいのだが。
→デジタル技術で、人材不足を補えないか。
○普及啓発の方法(案)
観察会等のイベント(関心が高い層以外も呼び込む工夫がほしい)、夏休みの自由研究に紐付けたPR・講座など(博物館との連携等)
→問題の原因や影響を知ってもらうことにより、飼っている動植物等を外に捨ててはいけないと認識する人を知ってもらう。